この時期は私が技術翻訳の勉強をしながら、その延長線でフリーランス翻訳者として仕事を始めた時代です。
英語から日本語への翻訳:
パソコンはまだ普及しておらず、一部でワープロ専用機が使われていた時代です。
多くの翻訳者は指定された400字詰め原稿用紙に手書きで翻訳し、一部の先進的な人はワープロで作成し、それを原稿用紙に印刷した形で翻訳会社に納品していました。
このため多くの翻訳会社は自社の社名入り原稿用紙を作り、それを翻訳者に使用してもらい、自社の翻訳製品であることをアピールしていました。
日本語の400字詰め原稿用紙に翻訳文を書いていくと途中で改行が入るので一枚の原稿用紙には350~400文字程度が記入されます。
翻訳料金は仕上がった原稿用紙一枚当たりの単価で支払われます。
日本語から英語への翻訳:
基本的にはA4の用紙に機械式タイプライターを使用し、ダブルスペース(1行飛ばし)で打ち込みます。こうするとA4一枚あたりの単語数は平均150~200ワードになります。
翻訳料金は仕上がったA4用紙一枚当たりの単価で支払われます。
パソコン通信がなく、FAXもそれほど普及していなかった時代なので翻訳の原稿用紙と翻訳後の製品は原則として手渡ししていました。
一部の翻訳会社はFAX納品した場合、手間が省けるという理由で翻訳単価を50円程度上乗せして支払っていました。
この時代翻訳料金は全て仕上がり枚数でカウントし、料金が決められていました。
この時代に翻訳作業を発注していた業界では、いまだに翻訳仕上がり枚数で料金を決定する傾向が残っています。
今では翻訳後の文字数や単語数はパソコンで簡単にカウントできますので、これを基に仕上がり枚数に変換します。
ただし、仕上がった翻訳原稿の文字数(350~400)や単語数(180~200)の定義にはばらつきがあるため、ページあたりの文字数(単語数)の基準がいまだに統一されていません。
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