翻訳の目的~内容を正確に分かり易く伝える~

新人翻訳者さんの翻訳を見ていつも思うことですが、「翻訳とは良い文章を作ること」と勘違いしている人が多くいます。


学校英語の弊害だと思いますが、たとえば英文を作る時なるべく高尚で、学校の先生に褒められそうな文章を書こうと努力します。しかしこのため内容が伝わりづらくなったり、極端な場合は原文のニュアンスが正しく表現できていなかったりします。


実務の翻訳は翻訳者の力を誇示するためのものではありません。原稿の内容を正確に忠実に伝える訳文を作るのが翻訳者の仕事です。技術翻訳の場合、特にこのことが重要になります。


綺麗な文章を作ってやろう、自分のライティングテクニックを披露してやろう、などという思いを捨て、原文をよく読み、意味するところを素直に正確に訳す気持で翻訳しましょう。これを理解して実践すると実務で通用する立派な翻訳ができるようになります。


実務翻訳はコミュニケーションの手段です。文章作成のコンテストではありません。



翻訳会社トランスワード 社長のブログ

当社は広島を拠点にする、自動車を含む工業技術分野を得意にする翻訳会社です。 このブログでは1997年の創業から現在に至るまで、翻訳会社として良いサービス提供のために考えてきたこと、実行してきたことをまとめます。 また、海外出張などで経験し、興味深いと感じたことなどを随時お届けします。 株式会社トランスワード:https://www.transwd.com/

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