私は過去10年間、友人と一緒のアジア諸国でのバイク旅行を趣味にしています。
これまで台湾、タイ、ラオス、スリランカ、フィリピンなどでのバイク旅行を経験しました。
これらの国はまだ車よりバイク(スクーターがメイン)の方が普及しており、容易に現地でレンタルをすることができます。日本でバイクに乗っている人であればほぼ問題なくこれらの国で運転することができます。
運転免許証
日本でバイクの免許を持っている人は国際運転免許証を取得しておけばこれらの国で運転することができます。(台湾を除く)
台湾は国際運転免許証が通用しない国なので別途JAFに行き、特別な証明書を取得する必要があります。
バイクのレンタル
これらの国では町にバイクがあふれていますので、街中には多くのバイク販売店・修理店ならびにレンタル店があります。事前にインターネットでレンタル店を探しておき、現地に行ってから店を訪問し、借りるバイクを吟味し、値段交渉して決めます。
事前にネットを通じて予約することも可能な店がありますが、現地に行ってから決める方が何かと有利です。
日本と異なり、これらの国のレンタルバイクは品質や程度の差が大きく、実際に見てチェックして店と交渉する方が安心できます。
借りるバイクが決まったら値段交渉して契約します。レンタル料は総じて日本での値段より安いです。
一つのハードルはほとんどのバイクレンタル店はバイクと交換にパスポートを預かることを要求することです。まれにバイクの乗り逃げをする人もいるので、このための防止策です。パスポートを預けるのは海外からの旅行者にとって不安なことなので、代わりにある程度の補償金を入れて借りられることもあります。すべては現地での交渉次第です。
パスポートを預ける場合、必ずコピーを控えておき、パスポートの預かり証を店からもらっておきます。
海外でのバイクの運転
日本人の感覚から言って、これらの国では比較的安全運転をしています。ほとんどの国では車は右側通行なので、これを常に頭に入れ、慎重に運転すれば危険な目にあうことはほとんどありません。ただし、概して道路状況はよくないので、一日に走る距離はなるべく短めに計画しておいた方が無難です。私たちの経験では一日に走る距離は200㎞以下にしておいた方が快適な旅行ができます。
朝食を終えてなるべく早めに出発し、昼過ぎには次の宿泊予定の町に着くようにします。到着後まず、その日の宿を探します。小さな町できちんとしたホテルがない街でもゲストハウス(民宿)は必ずあるので、地図上で探し、交渉してその日の宿を決めます。
田舎町での宿泊
昼過ぎに目的の町に着いたらまず、宿泊する宿を決めます。世界中で一番多くの人に使われている地図ソフトは「GOOGLE MAP」ですが、難点もあります。まず使用に際し基本的にはネットへの接続が必要なことと、途上国の地方都市での情報が少ないことです。
このため私たちは世界中のバックパッカーの多くが使っているオフライン地図である「MAPS ME」という地図ソフトを使います。この地図は事前に目的の地図データをスマホにダウンロードしておくので、現場でネット接続が不要です。加えて多くのバックパッカーが利用する小規模のゲストハウスの情報が充実しているので「GOOGLE MAP」より役に立ちます。
ゲストハウスに到着したらまず、宿泊できる部屋の中を見せてもらい、それから値段交渉します。部屋の内部のチェックポイントは三つです。
① 水洗トイレはあるか?
② エアコンはあるか?
③ 温水シャワーはあるか?(アジアの多くの国では温水シャワーがない部屋が意外と多いのでこだわりのある人にとっては大切ですが、私たちは水シャワーでも我慢します。)
部屋に入るとまず、シャワーを浴びてその日着た衣服を自分で洗濯します。それからカメラをもって近所を散策します。途上国の田舎町ではバイクで旅行する外国人は珍しいので、近所の人たち、特に子供たちが近づいてきて交流できます。
本格的なカメラを持っていると子供たちが「自分たちを映してくれ。」とせがんできます。
撮った写真を印刷してわたせるわけでもないのですが、カメラのモニターで見せてあげるだけでも喜びます。私は通常のカメラに加えてその場で印刷して写真が印刷できるインスタントカメラを持参し、撮った子供たちの写真をその場でプレゼントできるように準備しておきます。子供たちはそのようなカメラは見たことがないので、大喜びし、大いに盛り上がります。
一連の海外バイク旅行の工程の中で一番楽しいのは、このような田舎町での子供たちとの交流だといっても過言ではないでしょう。
バイクのトラブル
フィリピンのある田舎町で宿泊した翌朝のことです。
朝食を終え出発しようとすると、3台のバイクのうち1台のタンクのガソリンが完全に抜かれており、他の1台のタイヤがパンクしています。
どうしたものかと困っていると近所の子供たちが近づいてきて、「パンク修理の店が近くにあるよ。ガソリンを売っている店もあるよ。案内してあげよう」と話しかけてきます。
仕方ないので案内してもらうと確かに修理店とガソリン販売店がありました。そこでパンクの修理とガソリンを買い、無事に出発することができました。
出発間際に子供たちはニコニコし、「よかったね。安全にね」と言ってくれました。私たちは内心、「パンクもガソリンも、もともとお前たちがやったことだろう」と思ったものですが、証拠がないので「ありがとう。おかげで助かったよ」と言って別れました。
後で思い出したのですが、子供たちは店の主人からこそこそと何やらお駄賃をもらっていたようでした。
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