外国語の勉強方法~大量の読書が一番~

日本語でも英語でも、言語というものはあるルールがあってそれにしたがって出来たものではなく、人が集まって自然に出来上がったものです。


私たち日本人は生まれて間もなく、周囲の人の話す日本語を聞き、まねをしながら時間をかけて日本語を覚えます。読書ができる年代になると多くの本を読み、レベルの高い書き言葉を身に付けます。


しかし、ある程度まで完成した外国語を新しく学ぼうとする場合、何となく慣れていくより、ルールや法則があったほうが効率的なので、大まかな言語構造(文法)を理解した上で、実践的なトレーニングによって一つの外国語能力を獲得します。但し、文法はあとから付けられたものであるため、実際には多くの例外があり、解釈も人によって異なったりします。


私が子供時代の日本の学校では英語を文法に基づき、まるでパズルや算数のように扱って教えていました。教わるほうは間違いを指摘されるのが怖いのでびくびくしながら文法(ルール)を覚えようとします。しかしルールに当てはまらないものが多いので途方にくれてしまいます。


言葉にはこれが絶対正しいというものは存在しません。多くの人が良いと思うものがいいのです。言葉の目的は事実や考えを正確に効率的に他の人に伝える手段ですから、この目的を最も良く達成するものがベストです。


この考えで行くと、文法やルールブックで言語を勉強するのは、あるレベルに達した人には効率的ではありません。


私が良いと思っている勉強方法は大量の文書を読むことです。多くの文章サンプルに接すると自然に言葉の使い方が洗練されていき、意識しなくても上手な文章を作ることができるようになります。


私が長年翻訳業界にいて、翻訳を勉強し始めた人の中で「翻訳を習得するスピードが速い」人たちに共通することが一つあります。
それは「子供の時から本を読むのが好きで、大量の読書をしてきた人」ということです。


読書は日本語ネイティブの人なら日本語、英語ネイティブの人なら英語です。
このような人たちがその後外国語を学び、翻訳を始めた場合、上達スピードは格段に速くなります。


当社が過去に運営していた翻訳教室では翻訳に必要なルールやテクニック、そして専門知識は教えますが、言語そのもののセンスは短期間で教えられるものではありませんでした。


翻訳者になってもならなくても、本好きの子供さんたちの将来は明るいです。



翻訳会社トランスワード 社長のブログ

当社は広島を拠点にする、自動車を含む工業技術分野を得意にする翻訳会社です。 このブログでは1997年の創業から現在に至るまで、翻訳会社として良いサービス提供のために考えてきたこと、実行してきたことをまとめます。 また、海外出張などで経験し、興味深いと感じたことなどを随時お届けします。 株式会社トランスワード:https://www.transwd.com/

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