SI単位の知識を身につけよう

技術翻訳をする時に避けて通れないのが単位の知識です。単位の基本的知識が無いとまともな翻訳は出来ません。

単位の代表的なものに長さを表すメートル(m)、質量(重さ)を表すキログラム(kg)、時間を表す秒(s)、電流を表すアンペア(A)、電圧のボルト(V)、周波数のヘルツ(Hz)、電力のワット(W)などがあります。

カッコ内が技術文書などで頻繁に出てくる「単位記号」です。

厄介なのはそれぞれの単位記号は大文字・小文字が明確に決められていることです。多くの技術文書はエンジニアによって書かれますが、困るのは少なくない頻度でこの大文字・小文字のルールが守られていないケースがあることです。

新人のエンジニアの中にはまだ単位の知識が不足している人がいるかもしれませんし、ベテランになっても単位の表記に無頓着な人がおり、正確な単位記号を使わない人もいます。

当社ではこのように不正確な単位記号が翻訳原稿に出てきた場合、全て確認し、正式な単位記号に修正してあげるのを社内的なルールにしています。

技術文書内では数値と単位は決して間違ってはならない重要な要素ですので、この点は社員教育を徹底し、常に正しい単位による翻訳を目指しています。


背景:

遠い昔は国によって様々な単位が使われていました。英米などに使われ、現在も幅を利かせている「ヤード・ポンド法」、中国を中心に日本でも用いられている「尺貫法」などです。

しかし工業が発達し、貿易が盛んになると単位系が色々あると不都合が生じるようになりました。

そこで計量単位の国際的統一をするため、1875年にフランスがメートル法(metric system)を提案し、徐々に世界中で使われるようになりました。

この国際的に統一されたメートル法もその後の技術の発展過程でいろいろな分派ができてしまい、再度統一する必要性が出てきました。そこでメートル法を基本にしながら、メートル法に代わる国際単位系が1960年の国際度量衡総会で決められました。新しい国際単位系の名称はフランス語でSystème International d'unitésで、略称はSIです。


このSI単位の知識は国内で販売されている種々の解説書で勉強できますので、技術翻訳を目指す人は必ず入手し、勉強することをお勧めします。


翻訳会社トランスワード 社長のブログ

当社は広島を拠点にする、自動車を含む工業技術分野を得意にする翻訳会社です。 このブログでは1997年の創業から現在に至るまで、翻訳会社として良いサービス提供のために考えてきたこと、実行してきたことをまとめます。 また、海外出張などで経験し、興味深いと感じたことなどを随時お届けします。 株式会社トランスワード:https://www.transwd.com/

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