最近翻訳の仕事が減ってきている?

弊社が出しているメルマガ「トランスマガジン」で2004年に皆様にお届けした記事を再度紹介します。当メルマガは弊社が1999年に配信開始し、一時期お休みの期間はあったものの現在でも配信を継続しています。

2004年といえばその数年前に発生した世界的なITバブル崩壊の影響を受け、IT関連の英日翻訳(ローカライズ)が激減した時期でした。このため多くのIT分野の英日翻訳者の仕事が少なくなり、翻訳業界にちょっとした地殻変動がおこった時期でした。

翻って現在の翻訳業界を見ると、約2年続いた新型コロナ禍の影響を受け、仕事量が増えた業種と減った業種の差が大きくなり、一部の翻訳者さんは苦労しているようです。

このように様々な外的要因により、一定期間ごとに業種間の翻訳需要は変化します。


翻訳者として長期に活躍し続けるためには一つの分野に頼るだけでなく、新しい分野に積極的に挑戦する必要がありそうです。


以下、2004年のメルマガ記事(一部修正)を転記します。


数年前から「翻訳の仕事量が減ってきている」という話をよく耳にします。


私は約20年にわたり翻訳業に携わって来ましたが、仕事量が減ってきているとは思いません。変化があるとすれば翻訳の内容が変わってきたことでしょう。
そして翻訳を仕事にする人が増えて競争が激しくなってきていることでしょう。


数年前までは海外の技術を日本に導入するための翻訳、つまり外国語から日本語への翻訳が多くありました。しかし最近は日本の技術を海外に輸出するための日本語から外国語への仕事が増えています。また昔は取扱い説明書など、比較的易しい翻訳が多くありましたが、最近は高度な技術知識がないと太刀打ちできない、技術的に難しい翻訳が増えています。


翻訳者の数が増えてきていることは長年翻訳業をやっている人たちにとって脅威です。
新人は仕事を獲得するために必死に勉強し、かつ相場より安い翻訳料でも喜んで仕事を引き受ける傾向があります。


発注する側にとっては品質、コスト、そして納期を総合的に判断して発注先を決定します。もしあなたの仕事量が減ってきているのならこれらの要素を再点検し、いっそうの競争力を付けなくてはなりません。


翻訳業界もどんどん変化しています。これまでのやり方にとらわれず、ニーズにあった翻訳をする能力の開発と、翻訳者としての競争力を付ける努力を継続しましょう。


翻訳会社トランスワード 社長のブログ

当社は広島を拠点にする、自動車を含む工業技術分野を得意にする翻訳会社です。 このブログでは1997年の創業から現在に至るまで、翻訳会社として良いサービス提供のために考えてきたこと、実行してきたことをまとめます。 また、海外出張などで経験し、興味深いと感じたことなどを随時お届けします。 株式会社トランスワード:https://www.transwd.com/

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